COLUMN
2025.11.10
「ネシ子が会う」田島ハルコ(連載 第十二回)(2016/12/13 公開)
こんにちは。フレネシです。

「ネシ子が会う」今回のゲストは、田島ハルコさんという女性アーティスト。Twitterを始めて間もない頃、面白そうな人を探してフォローしていた時期に発見したのが彼女でした。私の大好きな元祖アイドル・河合奈保子さんとPink Floydの「Dark Side of the Moon」をフュージョンしたような(ヤバさがにじみ出ている)アイコンに目を奪われました。
音楽活動・芸術活動を通して、ここ数年で注目されるようになった田島ハルコさん。ネット番組に出演を果たし、さらには渋谷パルコ主催のシブカル祭にも登場するなど「時代が彼女に追いついてきた」ようにも感じられ、面識はなかったのですが「インタビューするなら今しかない!」と、思い切って声をかけたのでした。
● 田島ハルコに50の質問 ●
―――フレネシ(以下フ):はじめまして、フレネシと申します。
【質問その1】まず、自己紹介をお願いします。

田島(以下田): はじめまして!田島ハルコです。「パソコンで音楽を手作りする」活動を主軸に、「情報のノイズがやたら多い」活動を行っています。思考も好みも頻繁に流動していくので、現時点で自分に正直に答えるとこんな感じですがよろしくお願いします!
―――フ:【質問その2】「田島ハルコ」という名前についてですが、た、タージ・マハル…本名ですか?
田:田島は本名です。音楽も何もやっていなかった頃に「タージマハール子」みたいな名前でツイッターだけやっていて、そこからいつの間にか田島ハルコになっていきました。最初は美術をやっていて、コラージュとかの平面作品を作って発表するときの名前にしてました。
―――フ:【質問その3】アーティスト活動を始めたきっかけは何ですか?

田:音楽活動は大学で組んだ「シャンプーハッツ」というバンドがきっかけです。その頃はソロ活動はまだやっておらず、美術と並行してバンドをやっていました。
―――フ:【質問その4】芸大出身と伺っていますが、大学での選考は何でしたか?卒業制作では何を作りましたか?
田:いわゆる油絵科みたいなところです。あんまり楽しくなかったので全然真面目にやってなかったですが…。卒制は平面作品で、細かいラメとかスパンコールとか使った緻密な抽象画みたいなやつです。
―――フ:【質問その5】脳内に浮かんだイメージを言語化する能力がズバ抜けている田島さんのTwitterから毎日目が離せません。まことに野暮な質問ですが、ご自身で最も真理を突いたと思うTweetはどれですか?
田:残念ながら全く思い当たらず…1度ツイートしたことはだいたい即忘れてしまいます。もしこのインタビューでちょっとでも気になった方はぜひ1度私をフォローしてみてください。@dokusya_modelというIDでやっています。
―――フ:【質問その6】田島さんが主宰している「フスiD」とは何ですか?フス、フス…オブラートで劇薬を包んだようないたずらっぽい響きですね。フスとは、「ひれ伏す」の「フス」でしょうか?襖(ふすま)の「フス」でしょうか?はたまた、チェコの英雄、ヤン・フスにちなんでの「フス」でしょうか。

田:「オブラートで劇薬を包んだようないたずらっぽい響き」…!素晴らしい比喩をありがとうございます。
フスidは、インターネットで積極的に顔を出す生活をしていないファイナリストの方々への配慮などからあまりバズってしまわないように工夫しているのですが、「ルッキズムのない世界のミスコン」のようなものです。テーマを簡潔に言ってしまえばそうなんですが、政治的にはなりたくないし、結構慎重にやっています。受賞者等はもう発表しておりますが、これから各受賞者のテーマソングみたいなものを作って、機が熟したら公開してまたいろいろ語っていこうかと思っています。
「フス」という言葉自体に意味はなく、「フス」という「音」自体が意味のような感じです。フスidは、これまで悪意ばかり撒き散らす人生を送ってきた自分が今、この世界に対してちょっとだけ出来る治癒のようなものでして、これを機に自分が持つ「治癒性」について考えてみたことで、自分の音楽性も変化しました。テーマソングとして「こんにちはシルエッツ」という曲を作ったので、こちらを聴いてみてください。
田島ハルコ(Haruko Tajima) — こんにちはシルエッツ
―――フ:【質問その7】これは田島さんのTweetに基づいている質問ですが、時間とお金だったら、どっちが欲しいですか?
田:普通に時間ですね、どう考えても。しかし、世に言うように時間とお金は取り替え可能なので、それができてないってことは実はお金の方が必要なのかもしれないし、やっぱりどっちもですね…。
―――フ:【質問その8】最近見た「ヤバい夢」を教えてください。
田:見た夢をiPhoneのメモ帳に書くのがライフワークなんですが、最近は朝そういう余裕がなくてほとんど書いてないです…。直近のメモで10月5日の日付のものが比較的ヤバいかもしれないので、長いですがそれをコピペします。
・ゴキブリを駆除する製品を作っている会社が運営しているゴキブリの博物館に行く。一見清潔そうに見える空間だが、床に卵っぽいものが落ちていたりなんか飛んできたりして、私は強い嫌悪感を感じたり絶叫したりする。食事処みたいなのがあって賑わっているが、絶対に行きたくないのにそこの席に座る。ワイシャツを着た微妙にフォーマルな格好のおじさんが等間隔に立っている。
・コピー用紙にモノクロで書かれた「パソコンの絵(イラスト調)」が、「一斗缶から油が漏れている絵(油絵、細密画)」の下敷きになっている。画家にパソコンを壊された人が代わりにそれを貰って怒っている。
・カラフルなドレッドヘアーが絡まった頭で全身ラスタカラーの人が、自分の分身を箱から出して、その頭蓋骨を開けて何かを取り出すことで何者かとドラッグの取引をしている。その様子がめちゃめちゃウケたので、彼氏にLINEで報告したが、「あいつに言うのはやめて!」とラスタに言われて、了承して仲直り(?)する。でも、もう送ってしまっていたので申し訳なく思い、慌ててLINEの履歴を消してもらう。
―――フ:【質問その9】頭からつま先まで、トータルコーデしてみたいファッションブランドは?

田:私はツイッターでよく「全身ヴィヴィアンで日高屋いくね」とか「全身ジュエティで冬の浜辺に立ち竦んでる」とか言うんですが、それはブランドと状況の関係性を楽しむ、ということなので、実は全身同じブランドでトータルコーディネートしたいとはあんまり思わないです。
これは、音楽も同じで、自分にとっては音楽もファッションもコラージュのスキルが試される場である、と思っています。EDM~トラップみたいなベースとリズムだけど音階はフォークロア調で歌メロは日本的みたいな。パッと見全身ヴィヴィアンだけどスポーティーな要素もねじ込んでて、でもアーマーリングだけ露骨にニセモノとか。逆に、例えばトータルで80年代っぽいとかそういうのは全然やりたくないし、固有のシーンにコミットするようなものには全然興味が湧かないです。
―――フ:【質問その10】いま一番並んで写真を撮りたい有名人は誰ですか?
田:ミーハーかつ恥ずかしがりなのでこれは言えないです!
―――フ:【質問その11】幼少期の原体験について教えてください。どんな子供で、主に何をして過ごしていましたか?
田:昔のことって全然ちゃんと覚えてなくて、特に具体的な体験の記憶っていうものがほぼない。で、体験ではないんですが、小学生のときに無性に大好きだったのは「元素周期表」と「鉱物」です。実際のそれというより概念として、といった感じです。モチーフ?フェティッシュとして?みたいな。
子供のころよくやってたことはなんとなく覚えています。ベタでかつちょっと怖いやつですが、虫をめっちゃ殺していました。キッズのライフワークですよね。虫殺すの。あと、またちょっと嫌なやつですが、身体中の血管をカラフルなサインペンでなぞって書く遊びをよくやっていたんですが、ある日突然猛烈に怖くなってやめました。
―――フ:【質問その12】コレクター気質ですか?これまでに集めてきたものについて教えてください。

田:さっきも言ったように鉱物を小学生のころからずっと集めています。小さいときからよく図鑑を見たりしていて大好きだったんですが、集め始めたのは小5くらいからかな。コンスタントにというより、かなり波がある感じですが今もずっと継続されてます。他にもいろんなものを集めているわけではないので、コレクター気質ではないような気がします。
―――フ:【質問その13】いま、こっそりコレクションしているものはありますか?
田:「こっそり」集めるような怪しい収集癖はおそらく自分にないこともないんですが、今は特に思いつかないです。
―――フ:【質問その14】少女時代、定期購読していた雑誌は?
田:雑誌は読んでなかったです。
―――フ:【質問その15】音楽家を志したのはいつでしょうか?
田:近年になってすごくじんわりとそういう風になっていったんですが、もともとは中2のときにバンプオブチキンの藤原基夫さんと同じ黄色いレスポールを親に買ってもらったくらいのときからなんだと思います。
―――フ:【質問その16】ポストパンク/ニューウェーブに目覚めたきっかけは?

田:決定的だったのは、高校生の時にサマソニでDEVOの来日公演をみたことです。当時なんとなくリバイバル的に流行っていたテクノポップみたいな人懐っこさとは違う、もっとものすごく尖ったものを感じて、当時「これぞパンクだ!」と思いました。
あのときのショックが忘れられず、心踊る「変な音」と「変な人間の動き」を求め続けて、大学生の時にDer Planなどのジャーマンニューウェーブと出会い、その時またニューウェーブ熱が超盛り上がって、で、最近はバイト先の有線で流れていたMajor lazerの「lean on」に衝撃を受け、晴れて(?)DEVOの呪いから解き放たれた感じです。
―――フ:【質問その17】作詞作曲アレンジ、ミックスからマスタリングまでを行うという田島さん。ミックス以降は他人にゆだねてしまう私からすると尊敬に値します。女性ミュージシャンでそこまで行う人は少ないのではと思いますが、創作活動においてそれはツラい作業だったりしませんか?
田:自分の作品は全て自分で完結させたいという執着があるのかもしれません。周りにできる人がいなかったというのはどっちかというと言い訳で、誰かに頼んでも納得いかないくらいならいっそ自分の手垢まみれにしたいみたいな感じでしょうか。
多くの女性ミュージシャンにとってそれがツラい作業っていうのは多分「音のオタク」じゃないからだと思うんですよね。私も音響にも機材にも全然興味がないので。でも作品と向き合っていくのはしんどいけど楽しい作業だと思っています。でも「音を良くする」とこに向き合うとなると普通に楽しくないし辛いだけになっちゃうので、今後ある程度は人に頼みたいです。
―――フ:【質問その18】田島さんの作品を生み出すスピード感は「若さ」の象徴でもあるなあと思います。最近作った作品でファンの方に一番聴いてほしいのはどの曲ですか?
田:「人体山脈」という曲です。
―――フ:【質問その19】他のアーティストの好きな歌詞を、ワンフレーズ教えてください。
田:「産み落とせ街の落とし子 母の街を駆けろ」
―――フ:【質問その20】理想のポップスターといえば?
田:実は私はポップソングを志向しているにもかかわらず、ポップソングを聴き始めたのは本当にごく最近という「ポップにわか」なのです。

しかし、これまで私が受けてきたポップソング的ではない音楽の影響は、全て私の身体性に回収されていった、と思っていて、最近ポップスを聴いていて思うのは、ポップスの中にも人間のいびつさがもがき苦しんでいるようなところはあるよなと。そういった意味ではSia(顔を出さずに活動している女性SSW)かな。こういう表現をする女性がポピュラリティを獲得しまくっている時代に生きていて本当によかったと思えます。
―――フ:【質問その21】田島ハルコがポップスターになってやりたいことは?
田:ホームパーティーですね。
―――フ:【質問その22】競演してみたいミュージシャンは?
田:これは毎日考えていますが、いざとなると言うのが恥ずかしいというのと、文脈的に自分とやったら面白くて、かつ競演したい!という人が案外思い浮かばない。
これは私の妄想もあるんですが、国内系だとなんか政治のにおいがしてしまうし、しかしこれが「前座をやりたい外タレ」という質問だったとすれば、私は分かりやすいところでMOやGrimesが憧れなので…でも万が一なんかあったとしても前座やりたくないな~!自分のライブで全然盛り上がらなくてふてくされますね多分。でもいずれはそこまで行けるようにがんばりたいですね。
―――フ:【質問その23】お気に入りの機材は?

田:基本的に機材に興味がないんですが、ALESISのMICRONという赤いキーボードは好きです。でも、私はそもそも実機が苦手な上、これはなんかめっちゃ重くてライブでも録音でも全然使ってないです。音とルックスは素晴らしい。私じゃない人にオススメ…
―――フ:【質問その24】現在の活動において、最も影響を受けた有名人は誰ですか?
田:高校の時にP-MODELと平沢進さんにハマって、「歌詞をなんとか解読するスレ」とか読んでいましたが、それによってアンチテーゼ的な人格も形成されてしまったし、ただの屈性したファンといえばそうなんですが、やっぱり影響は大きいですね。
平沢さんは、人間から発されている情報という点では圧倒的に情報量が多すぎるので、必然と影響も大きくなりますが、でもその影響から派生した、ノイズ(私が日々の生活のなかで考えたことなど)のほうが、自分の音楽活動を含む人間性の拡張にかなり作用していると思ってます。
―――フ:【質問その25】私は2014年に音楽活動を休止しているんですが、最近製作活動を再開しました。それでアイドルに曲を書いたりしているんですが、1から10まで全てをセルフプロデュースしている田島さんも、ご自身以外のプロデュースに興味があるんじゃないかな、と思いました。ご自身が手がけるとしたら、どんなアイドルをプロデュースしたいですか?

田:今、私は「自分でトラックを作って歌う」という活動をしていますが、やがては「提供する」活動を主流にしていってもいいんじゃないかと思っていたりします。自分が歌うとなると、今自分が抱えている体力的な問題を乗り越えないといけないので、それをどうするかっていうのを今後考えていく必要があるんですよね。
そこで、「絶対やりたい!」と思っているものがあって、それは「男性ラッパーないしシンガーをフィーチャーして自分は音を作る人間としてメインにクレジットされているものをリリースする」ことです。そのためには確実に、音を作る方をブラッシュアップしないといけないので、今やってるようなものとは違うスタイルにはなるんじゃないかと思っています。
なお、これは今まで言わないようにしていましたが、「アイドル」に関して。今のスタイルの日本のアイドルはメジャー、インディーズ問わず10年以内に全員いなくなったほうがいいと思っています。もちろん仲良くしている人も、人間として好きな人もいますがいずれはなくなったほうがいいカルチャーであるとはずっと思っていますね。
―――フ:【質問その26】ご結婚のことなどTweetしていらっしゃいますが、新婚生活、いかがですか?音楽活動に影響はありましたか?

田:結婚それ自体ということより、結婚にまつわるあれこれによって、自分とはなんであったか、や、これまで生きてきたことの答え、みたいないろいろなことが見えてきました。音楽もそれによってかなり変わりました。
私は2016年4月に「暴力」というアルバムを出したのですが、あれはマリッジブルー前夜の「嵐の前触れのような不気味な躁状態」で、今制作中のアルバムは「晴れやかに葛藤している」みたいな感じです。
―――フ:【質問その27】私は出身が岐阜なんですが、歌詞の描写や音作りに多かれ少なかれ影響があると感じています。新潟ご出身だそうですが、「雪国」という環境が音楽を始めとする芸術活動に与える影響はありますか?
田:私の地元は平野部なのであんまり雪は降りません。なので期待されているような雪国じゃないんですが、地元が同じで上京してきた人たちが口を揃えていうのは「気候がよくない」ということです。どういうことかというと、ほとんど雨か曇りで寒々としていてどんよりしています。湿度も高い。
で、これは私の地元に限らずですが、イオンなどの大型ショッピングセンターを中心とした生活基盤が完成されているディストピックな地方都市から脱出してきた人にしか分からない共感覚みたいなものがあって、それは多くのそういった作家の作風に影響が出てくるものだと思っています。
―――フ:【質問その28】今、ライバルはいますか?目が離せないアーティストなど…。

田:いないんですよね…ライバル欲しいです!
―――フ:【質問その29】カバーしてみたい楽曲は?
田:めっちゃあります!今の気分だとLioのBanana Split。あと、Major LazerのGet Free。カバーはわりと頻繁にサウンドクラウドで公開したりするのでこの記事が公開される頃には場合によっては完成して公開しているのかもしれません。
―――フ:【質問その30】ご家族は音楽活動について理解してくれていますか?
田:理解を示すというか、とりあえずめっちゃチェックされてます。
―――フ:【質問その31】育ててみたい食虫植物は?
田:植物とか動物、あんまり育ててみたくないですね。無機物が好きです。
―――フ:【質問その32】「恐怖症です」何の?

田:高所と閉所が人並みに怖いです。
―――フ:【質問その33】目玉焼きにかけるのはどんな調味料?
田:醤油ですね。
―――フ:【質問その34】好きなお風呂の温度は?
田:39~40℃
―――フ:【質問その35】やってみたい髪型は?
田:ずっと前から明るめの金髪か薄ピンクにしたいと思ってます。でも法事とか、人生にはいろんなタイミングがあって髪型すら思うようにできず、ムカつきますね。売れたら服装も髪型も親族から黙認されそうなんでちゃんと世間に認知される形で売れたいです!
―――フ:【質問その36】玄関のドアを開けたら、もじゃもじゃしたものがリビングにいました。さて何でしょう。

田:…雑!チューバッカでしょうか
―――フ:【質問その37】好きな食品添加物は?
田:好きな…好きな…?ステビアとかは問答無用で嫌いなんですが(味が)、好きな、となると、ミョウバンですかね。
―――フ:【質問その38】体を一部分だけ改造するとしたら、どこをどうしたい?
田:強いて言えば奥二重にしたいです。埋没法で。
―――フ:【質問その39】ライブで着てみたい民族衣装は?
田:アンデス的な…
―――フ:【質問その40】田島ハルコが映画にキャスティングされるとしたらどんな役?
田:邦画の生活感のある役?をミュージシャンがやるみたいなのがだいぶ嫌なので、そういうのからかけ離れた役がいいですね。妖精とか。
―――フ:【質問その41】好きな食べ物は最初に食べる派?最後に取っておく派?
田:無意識に最後まで取っておいてしまいます。本当は最初に食べたい
―――フ:【質問その42】食べてみたら美味しそうな鉱物は?
田:たくさんありますよね。蛍石や方解石などは定番?として、石黄なんかも芋けんぴみたいでいいですね。ヒ素の鉱物なので多分死にますが…。
―――フ:【質問その43】超能力を得ました。どんな能力?
田:エアコンのリモコンをすぐに見つける能力
―――フ:【質問その44】この先人生をエンドレスループし続けなければいけないとしたら何歳から何歳までであってほしいですか?
田:そんな、いくらなんでも地獄なのでせめて自我がない頃がいい。
―――フ:【質問その45】お供に連れ歩きたい珍獣キャラを描いてください。
田:頑張ってみましたが、そもそもお供に珍獣を連れて歩きたくない。
―――フ:【質問その46】ご自身と対極にあるアート・アーティストとは?

田:なんだろ…ラッセン?
―――フ:【質問その47】音楽をやっていない平行世界の自分は何をしていると思いますか?
田:きっと別な形でなんらかの創作はやっていると思うんですが、悶々と暮らしているでしょう。
―――フ:【質問その48】世の中のなくしたい制度、ありますか?
田:たくさんあります。まずは婚姻制度。
―――フ:【質問その49】今後の活動予定について教えてください。
田:2017年、多分2月かな…にアルバムが出ます!3月にかな…レコ発をやります!ライブ活動はちょくちょくやっていくのでツイッターをみておいてください!
―――フ:【質問その50】ありがとうございました。ファンの皆さんに一言、お願いします。

田:いまに売れるから待っててくれ!
―――フ:ありがとうございました。
● 田島ハルコさんにお会いして ●
本人すらも内容を覚えていないほどおびただしい量のノイズが日々垂れ流されている彼女のTwitterアカウント。そのIDが「dokusya_model(ドクシャモデル)」…これこそ「田島ハルコ」の為人を体現した文字列、いや、体現していないからこその「dokusya_model(ドクシャモデル)」なのか…。
Twitterを通して、彼女の頭の中で起こっていることをリアルタイムで追いかけているうち、反射的に「いいね」してしまうのだけれど、その瞬間、ただの傍観者ではなくなったことに気が付いて、今度は自分の頭の中を見られているような気もして、ふと緊張感に襲われる…。しかしそれがどうしたといわんばかりに、こちらが情報を取捨選択するスピードを遥に上回る量のノイズをまだまだ吐き出し続けている彼女。それがもうずっと続いている。「そんなに生き急いでどうするの?」と不安になってしまうほどに。

そして、それだけの量のノイズですら彼女の発する全ノイズの一部にしか過ぎず、作品という形で世に出るさらに込み入ったノイズは、ともすれば「悪趣味なオマージュによる食べ合わせの悪さ」のような部分ばかりが目立ってしまうけれど、実は音楽としてはとても純粋だと私は思っている。アカデミックな小手先の器用さで取り繕った引用ありきの文化圏とは距離を置く、エモーショナルでプリミティブな動機に直結した、感情表現豊かな音楽に感じられる。
また「フスid」について、「これまで悪意ばかり撒き散らす人生を送ってきた自分が今、この世界に対してちょっとだけ出来る治癒のようなもの」と彼女は言うけれど、テーマソングのMVを見た感じだと、やっぱり「撒き散らした悪意」の延長線にフスidがあるように思えてならない。しかし、それはまだ私の読みが浅く、彼女の意図を理解していないということだろう。
今回のインタビューでは、「今のスタイルの日本のアイドルはメジャー、インディーズ問わず10年以内に全員いなくなったほうがいい」という告白が、とても衝撃的だった。そんな世の中、私は想像したこともなかったから。適度に刺激的で、不快要素が少なく、聴き手としては都合が良い、そんなぬるま湯のようなアイドルカルチャーをつまみ食いするうちに、私の受容体はすっかり能動性を欠いていったのかもしれない…。

しかし誰が望まずとも、もしかしたら90年代初頭のようなアイドル氷河期が、今後10年以内に反動的に訪れるかもしれない。(すでに2016年の紅白のアイドル枠が減ってきているあたりにその予兆を感じなくもない…)
「田島ハルコ」という情報のノイズ発生装置から目を離してはいけない気がする。見逃した瞬間にさっきまでとは違う議題が上がっていて、そこから先は処理しようのない量のノイズが、ただただ、山積みになっていくだけ。生き急いでいるのではなくて、それが彼女の日常なのだと、お会いして気づいたのだった。
文:フレネシ
写真:ヨシナガ
● 田島ハルコ 今後の予定●
12日24日(土) @渋谷LOFT9
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出演:にゃにゃんがプー、田島ハルコ、読者MODEL(にゃプ、田島のユニット) ゲスト:山ちゃん

